エイサーと念仏踊り

 

94日(日)


 沖縄セルラースタジアム那覇にて、青年ふるさとエイサー祭りが開催された。沖縄の伝統芸能やエイサー団体が参加し、福島県いわき市からは、上高久青年会の皆さんの「念仏踊り」を、この遠い沖縄で観ることが出来き、鉦の音と太鼓のリズム、生まれ育った地・ふるさとの思いが深く蘇ってきました。この素朴な鉦の音にあわせて踊る「念仏踊り」が琉球の人々によって三線と独特の音楽で現代のエイサーになったという。



福島と沖縄をつなぐ袋中上人


 飛行機も車もなかった、今から400年ほど前の激動の時代に、何日も掛けて死と隣合わせになりながらも、沖縄の地に来流した上人。経済・思想の不安や恐怖に直面する万人の安堵と衣食・生活の安らぎが念仏(大慈・大悲)の中にあるのだと説いたのは、袋中上人(たいちゅうしょうにん)であった。


袋中上人は1552年天文21年1月29日現:福島県いわき市常磐岩ヶ岡に生まれ。7歳の時、剃髪し能満寺へ 現:福島県いわき市常磐西郷にて学業に励む。52歳の時「琉球」に入り浄土念仏をともし、小禄村:現 那覇市内に「小禄浄土」が伝えられた。88歳にて、飯岡に寺庵を建立:現 西方寺 寛永16年1月21日終焉。



  
念仏の中に起き 念仏の中に眠り 念仏の中に食し 念仏の中に動き 念仏の生活。田や畑を耕し、人と大地が一体となり耕すことを通して仏とつながろうとする。大地に生まれ、大地に還る、自然浄土が拡がった。


*袋中とは「きりが袋の中からあらわれる」きりを袋の中に入れておいても自然に突きや ぶって出てくる。真の人物はいまはかくれて見えなくても、やがてその徳によって世にあらわれる。


 この遠い沖縄に来て、私にとってまさに「平和の礎・心の礎」は足元にあったことに気がつかされた。地元の福島県いわき市常磐岩ヶ岡の地にあった。


悲惨な思い苦い体験を身をもって経験した沖縄と福島。遠くて近い結びつきを深く感じ、地域住民の安心・安全を最優先した暮らしを足元から守らなければならない。念仏踊りが、エイサーがこれからも世代を超え、地域を越えて発信し続け、ますます拡がることを心から願う。


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